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本邦において2017年度内に導入予定である経腸栄養カテーテル接続部
”ENFit”における半固形状流動食の通過性に関しての検討 |
ふきあげ内科胃腸科クリニック 蟹江治郎 |
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ヒューマンニュートリション 日本医療企画,2015;6(3),92-98.
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【キーワード】ENFit,半固形状流動食,栄養剤注入難易 |
要 約 |
【目的】経腸栄養カテーテル接続部の新規格となる”ENFit”の使用下における,半固形状流動食の注入の難易度について評価を行った.
【方法】経管栄養カテーテルの接続部が,従来の口径の規格であるものとENFitに適合した規格のものの各々を用い,寒天および粘度増強剤により有効とされる物性とした半固形栄養剤の注入の適否を検討した.注入法:用手注入を想定した120mmHg持続加圧による注入と,加圧バック注入を想定した300mmHg間欠加圧による注入を行った. 評価法:用手注入を想定した実験では栄養剤の注入開始後5分未満でその80%以上の注入が可能か,加圧バック注入を想定した実験では栄養剤注入開始後15分未満でその80%以上の注入が可能かにより評価を行った.
【結果】用手注入を想定した実験:従来規格の接続部の場合,寒天半固形のみが5分未満で注入可能であった.ENFitの場合,寒天半固形が5分未満で注入可能であった一方で,粘度増強半固形は5分未満での注入が不可能であった.加圧バッグ注入を想定した実験:使用カテーテル接続部が従来規格かENFitかに関わらず,寒天半固形と粘度増強半固形栄養剤の両者において15分未満での注入が可能であった.
【結論】半固形状流動食を使用の際は,寒天半固形では従来規格の接続部,ENFitに関わらず何れの方法でも注入が可能であった.一方で,粘度増強半固形では従来規格カテーテル,ENFit共に用手注入が困難であった.さらに粘度増強半固形の用手注入下において各々の接続部を比較した場合,ENFitはその口径の狭さから注入がより難しくなることも明らかとなった.半固形状流動食の注入においては,使用カテーテルと栄養剤の物性に応じて,適切な注入方法を選択することが望ましいものと考える.
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T
はじめに |
胃ろうにより経腸栄養管理を行っている症例において,嘔吐,下痢,栄養剤リークは,日常臨床において頻繁に遭遇する合併症である.それらの原因は多岐にわたるが,一部の症例においては栄養剤の物性が液体である場合,半固形物に比較してその流動性は高くなることから,前述の合併症の原因となることが指摘されている.それらの合併症の発生を減ずる目的で,筆者らはあらかじめ栄養剤を半固形化した後に注入する経管栄養投与法を報告した(1)(2).また,合田からも筆者と異なる方法により半固形化した栄養剤の投与法が報告されて(3),何れの方法も近年急速に普及しつつある.胃ろうからの半固形化栄養投与法には,栄養剤を寒天で固め“重力に抗してその形態を保つ硬さ”とした寒天固形化栄養注入法(1)(2),通常の経口食品をミキサー食として半固形化する方法(4),既存の液体の経腸栄養剤を粘度増強剤により半固形化する方法が報告されている(5).また,2005年以降はあらかじめ半固形栄養の物性を持ち,調理の工程を必要としない経管栄養剤も市販されている(6)(7).
半固形化された経管栄養剤は静脈経腸栄養学会のガイドラインにより,半固形流動食との名称が推奨されている(8).半固形状流動食は液体栄養の問題点を改善する効果を持つ一方で,液体栄養に比較して流動性が低く狭窄部分の通過が困難な物性となる.ただ,現状の経管栄養カテーテルの接続部(医薬発888号)については,生体にとって有益とされる半固形状の栄養剤でも通過は可能になっている.しかし,カテーテルの接続部は,2017年よりENFitといわれる国際統一基準(ISO 80369-3)に批准した規格に統一変更が予定されている(9).このENFitは誤接続の防止を目的として考案されたもので,接続部のオスメスは従来規格と逆になっており,接続にあたってはスクリュー式のロック形式となっている.また栄養管の接続部の口径については,2.9mmと現行の規格より大幅に狭いものとなっている(10)(図1).
今回,筆者は市販化されており,2つの異なる物性をもつ半固形状流動食を,従来規格の接続部(以下,従来接続)と新規格であるENFitからの注入を行い,その難易度を比較したため,その結果について報告する. |
図1 栄養管接続部の新規格として導入予定のENFit
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U 方 法 |
a)実験材料と検査器具
1)使用した半固形状流動食(表1)
今回の検討における半固形状流動食は,半固形として有効な物性とされている市販製品を使用した.現在,半固形状流動食としての効果が指摘されている物性には,栄養剤を寒天等でゲル化し重力に抗してその形態が保たれるものと(1)(2),栄養剤の粘度を増強し20,000ミリパスカル・秒(以下,mPa・s)の粘度としたものがある(5).今回の検討における試料としては,寒天でゲル化し重力に抗してその形態が保たれる製品(以下,寒天半固形)と,粘度を増強し20,000mPa・sの物性とした製品(以下,増粘半固形)を用いて評価を行った.
寒天半固形として実際に使用した製品は,ハイネゼリー R(大塚製薬工場社製)で製品重量300g,注入部の最小口径は4.0mmであった.増粘半固形の試料した製品は,PGソフトTM(株式会社テルモ製)で製品重量267g,注入部の最小口径は4.0mmであった. |
表1 使用した試料
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物 性 |
製品名 |
寒天半固形 |
寒天でゲル化し重力に抗してその形態が保たれるもの |
ハイネゼリー |
増粘半固形 |
粘度を増強し20,000mPa・sとしたもの |
PGソフト |
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2)使用した検査機器
今回の検討においては20Fr径のバンパー型チューブのカテーテル(クリエートメディック社製交換用バンパーカテーテルR)を使用した.カテーテルへの栄養管の接続は,従来接続とENFitの2種類を使用し比較を行った.従来接続は医薬発888号に批准した製品であり,現在一般的に使用されている接続部の通過部分の最小口径は注入容器に依存し,今回使用した寒天半固形および増粘半固形は何れも4.0mmであった.ENFitは国際統一基準(ISO
80369-3)に批准した製品であり,接続部の通過部分の最小口径は2.9mmとなる.ENFitの物品に関しては市販されていないため,3Dプリンタ(日本3Dプリンタ株式会社製,UP
Plus 2 R)により制作し本検討で使用した.半固形状流動食の重量の測定にあたっては電子天秤(島津社製,BX4200H R)を使用し,栄養剤の注入に関しては間欠加圧を行うための加圧バックを利用し,この機材としてPG加圧バッグUR(株式会社テルモ製)を使用した(図2,3). |
図2 使用したカテーテルと栄養管接続部
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図3 PG加圧バッグUR(株式会社テルモ製)
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b)実験方法(図4,表2)
1)実験方法の概要
本検討の実験方法は,胃ろうカテーテルの通過性について評価を行った既出の報告に準じて実施した(11).胃ろうカテーテルの通過性の評価を検討するための注入の方法は,用手注入を想定した注入法と加圧バッグ注入を想定した方法の2種類の方法を用いて行った.
用手的に栄養剤容器を握りしめて注入する方法においては,その加圧は持続的に行われる.そのため用手注入を想定した注入実験においては,一定の圧で持続的に加圧を行い経時的に注入量の測定を行った.注入圧の設定については,半固形状流動食の投与経験のある看護師(女性10名,男性2名,平均年令42.0±11.7歳)により官能試験を行い検討し圧の設定を行った.この試験において,対象者により用手注入が容認できる圧は平均圧力123.3±38.7mmHg であったため,今回の試験においては120mmHgで加圧することとした.
加圧バッグを利用した注入においては,バッグを一端加圧した後にベッドサイドを離れた後に再度加圧して注入を完了させるので,その加圧は間欠的に行われる.そのため,加圧バッグ注入を想定した注入実験においては,予め設定した圧で加圧を行い注入が途絶えた時点で再加圧する間欠的な加圧を行い経時的に注入量の測定を行った.注入における圧設定については,合田が適切な注入圧として提唱する150から300 mmHgを参考に(12),今回の試験においては300mmHgで加圧することとした.
2)実験1:用手的注入を想定した試験
用手的注入を想定した実験1の方法は,@試料を加圧バッグに装着しカテーテルに接続,A加圧バッグを120mmHgまで加圧,B注入に伴い減圧した際は115mmHgまで低下した時点で120mmHgまで再加圧,Cカテーテルから滴下した半固形状流動食の重量を30秒ごとに測定する,という工程で行った.重量の測定に関しては,注入開始後30分を経過した時点で終了とした.測定にあたっては同条件で3回行い,その平均値の評価を行った.
結果の判定に際しては,通常用手的注入が5分程度で注入作業が完了することから,注入開始後5分の注入量の評価を行った.今回の検討では菅原の報告を参考に,注入量が80%をもって注入完了とした (13).加圧バッグによる注入の一定の上限と考えて判断をした5分未満で80%以上の注入が得られた群は注入適切群(以下,用手適切群),5分以上で80%以上の注入が得られた群は注入困難群(以下,用手困難群),そして30分以内に80%以上の注入が得られなかった群は注入不適群(以下,用手不適群)として検討を行った.
3)実験2:加圧バッグを用いた注入を想定した試験
加圧バッグを用いた注入を想定した実験2の方法は,@試料を加圧バッグに装着しカテーテルに接続,A加圧バッグを300mmHgまで加圧,B注入に伴い減圧し注入が停止した時点で300mmHgまで再加圧,Cカテーテルから滴下した半固形栄養剤の重量を30秒ごとに測定する,という工程で行った.重量の測定に関しては,注入から30分を経過した時点で終了とした.測定にあたっては同条件で3回行い,その平均値の評価を行った.
注入量の評価にあたっては,合田の提唱する半固形短時間注入法において,15分程度の注入時間が推奨されていることから(12),注入開始後15分の注入量の評価を行った.よって結果の判定には,15分未満で80%以上の注入が得られた群は注入適切群(以下,バッグ適切群),15分以上で80%以上の注入が得られた群は注入困難群(以下,バッグ困難群),そして30分以内に80%以上の注入が得られなかった群は注入不適群(以下,バッグ不適群)と設定した. |
図4 注入試験の様子
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表3 実験方法 と評価法
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実験1 |
実験2 |
実験方法 |
臨床現場での想定 |
用手的な注入 |
加圧バッグを用いた注入 |
加圧設定 |
120mmHg |
300
mmHg |
再加圧のタイミング |
115mmHgまで低下した時点 |
注入が停止した時点 |
評価法 |
用手/バッグ適切群 |
5分未満で80%以上の注入 |
15分未満で80%以上の注入 |
用手/バッグ困難群 |
5分以上で80%以上の注入 |
15分以上で80%以上の注入 |
用手/バッグ不適群 |
80%以上の注入が不可 |
80%以上の注入が不可 |
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W 結 果 |
a)実験1:用手的注入を想定した試験(図5,表3)
1)寒天半固形を従来規格より注入:用手適切群として評価を行う5分の時点での平均注入量は267.0±3.0gで平均注入率は89.0%となり,用手適切群に該当する結果となった.
2)寒天半固形をENFitより注入:用手適切群として評価を行う5分の時点での平均注入量は262.3±1.5gで平均注入率は87.4%となり,用手適切群に該当する結果となった.
3)増粘半固形を従来規格より注入:用手適切群として評価を行う5分の時点での平均注入量は155.0±12.5gで平均注入率は58.0%となり,用手適切群には該当し得なかった.なお,注入後14.0分の時点で総注入率は80.0%に達したため,用手困難群に該当する結果となった.
4)増粘半固形をENFitより注入:用手適切群として評価を行う5分の時点での平均注入量は107.0±2.0gで平均注入率は40.0%であり,最終的な注入率は注入開始後30分の時点で77%に留まり,用手不適群に該当する結果となった. |
図5 実験1:120mmHgでの注入の推移
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表3 実験1:用手的注入を想定した試験
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判定 |
80%注入時間 (分) |
寒天半固形 |
従来規格 |
○ |
2.0 |
ENFit |
○ |
3.0 |
増粘半固形 |
従来規格 |
△ |
14.0 |
ENFit |
× |
到達せず |
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b)実験2:加圧バッグを用いた注入を想定した試験(図6,表4)
1)寒天半固形を従来規格より注入:バッグ適切群として評価を行う15分の時点での平均注入量は280.0±2.0gで平均注入率は94.0%であり,用手適切群に該当する結果となった.
2)寒天半固形をENFitより注入:バッグ適切群として評価を行う15分の時点での平均注入量は277.3±2.3g注入率は92.0%であり,バッグ適切群に該当する結果となった.
3)増粘半固形を従来規格より注入:バッグ適切群として評価を行う15分の時点での平均注入量は240.3±1.2g注入率は90.3%であり,バッグ適切群に該当する結果となった.
4)増粘半固形をENFitより注入:バッグ適切群として評価を行う15分の時点での平均注入量は233.7±1.5g注入率は87.5%であり,バッグ適切群に該当する結果となった. |
図6 実験2:300mmHgでの注入の推移
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表4 実験2:加圧バックを用いた注入を想定した試験
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判定 |
80%注入時間 (分) |
寒天半固形 |
従来規格 |
○ |
0.5 |
ENFit |
○ |
1.0 |
増粘半固形 |
従来規格 |
○ |
1.5 |
ENFit |
○ |
2.5 |
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X 考 察 |
本検討は,経腸栄養カテーテル接続部における従来の規格と新規格となるENFitとを,半固形状流動食の注入の難易度について比較を行ったものである.その結果,用手注入を想定した120mmHg持続加圧での注入試験においては,寒天半固形は何れの規格においても用手適切群に該当し,その注入が可能であることが示唆された.用手注入を想定した試験における増粘半固形については,従来規格においては用手困難群に,ENFitにおいては用手不適群となり,その注入は困難であることが示唆された.加圧バッグ注入を想定した300mmHg間欠加圧での注入試験においては,寒天半固形,粘度増強半固形とも,何れの規格においてもバック適切群該当する結果となった.よって加圧バッグを用いれば半固形状流動食の物性や,接続部の規格にかかわらず注入が可能であることが示唆された.以上の結果を踏まえ,栄養剤の物性と経腸栄養カテーテル接続部との関連について考察する.
液体であった経管栄養剤の物性を変更し,半固形化することにより得られる効果については,本邦の老年科領域において初めて報告された(1) (14).半固形状流動食は液体栄養剤と比較してその流動性が低いという理由から,@胃食道逆流による嘔吐や嚥下性呼吸器感染症の予防(14)(15),A下痢の減少(16),B胃ろうからの栄養剤リークの減少(16),C投与後の高血糖の予防(17)などの効果が報告されている.また,その投与においては,液体栄養投与後に胃食道逆流予防のため実施される同一体位保持が不要なことから,褥瘡の発生や予防にも効果があり(18),結果として介護負担が改善されたとの報告もある(16).この物性がもたらす効果により,半固形状流動食は本邦においては現在急速に普及しつつある.
本検討において従来規格として評価を行った現行の接続部は,軟質材料によるファネル形状のメス型接続となっている.そのため栄養剤が通過する接続部分の最小口径は,半固形状流動食の製品規格に依存していることから通過が可能な内径が確保されている.一方,本邦において2017年に予定されている接続部の規格変更,いわゆるENFitは半固形流動食が普及していない欧米の規格であり,液体栄養の注入のみを想定して設計がされている.そのため,その内径は2.9mmと現行規格のものより狭く,半固形状流動食の通過が可能な口径であるか否は不確かな状況のまま,接続部の全面規格変更の承認がなされた(9).ENFitはカテーテルの誤接続防止に主眼を置いたものであり,半固形状流動食の使用について考慮はされていない.その理由として半固形状流動食は本邦のみにおいて広く普及している栄養投与法ではあるが,欧米等の諸外国では導入されていない手法であることが挙げられる.また,この規格変更は米国におけるカテーテルの誤接続事故を契機とし,欧米において主導権をもって提案されたものである.そのため半固形状流動食の通過性について検証されていない変更であり,本邦独自の栄養療法である半固形栄養投与法においては通過困難により,その継続が困難となる可能性があった.本研究は以上のような経緯を踏まえ,従来規格より内腔の細いENFitの導入が,半固形状流動食の使用に影響を及ぼすかどうかを検証するために実施した.
今回の結果においては,用手的な注入を想定した加圧法である実験1では,寒天半固形については,従来規格・ENFit共に5分以内にて注入可能な用手適切群に該当した.寒天半固形が従来規格のみならず内径の細いENFitにおいても用手適切群となったのは,付着性を高めずに硬度を得る寒天の物性の特徴を反映したものといえる.そのため,寒天半固形に該当する半固形状流動食を用いる場合は,現状のみならずENFitへの規格変更後も用手注入が可能であるものと推察される.一方,増粘半固形については,従来規格では5分以上30分以内で注入が可能な用手困難群に該当し,ENFitでは注入終了となる30分時点での注入が不達成となる用手不適群に該当した.これは増粘半固形が,付着性を増すことにより液体より固体に近い半流動体となっている物性の特徴に起因する.よって増粘半固形に該当する半固形状流動食を用手注入で用いる場合は,従来規格の接続の際はより慎重に,ENFitへの規格変更後は加圧バッグなどのデバイスを使用するべきであると考える.
加圧バッグによる注入を想定した加圧法である実験2においては,寒天半固形と増粘半固形の両者共に,従来規格・ENFitの何れにおいてもバッグ適切群に該当する結果をなった.半固形状流動食を注入するための加圧バッグは,購入するためのコストや管理上の手間などの問題点はある.しかし,今回の結果より加圧バッグ使用時においては,半固形状流動食の物性の内容に問わず注入が可能となり,また接続部の変更後も容易に注入が可能となるといった利点が明らかになった.
ENFitに適合した栄養管接続部は,本稿執筆時である2015年8月の時点では,本邦において未だ発売されてはおらず,またサンプルの入手も不可能であった.そのため本研究において使用したENFitは,公表されている規格を元に3Dプリンタにて作成した代替品となるため,実際の製品における再現性が100%保証されるものではない.しかしながら,接続部の形状に関しては同一のものとなるため,本研究の主目的である半固形状流動食の通過の可否についての検討は達成されたものと考える.
半固形状流動食は液体より固体に近い半流動体であり,一定の物性を満たせば液体栄養剤の問題点を軽減する効果がある.これは経管栄養剤の形状を変更するだけで,患者本人のみならず,患者家族,介護者,医療従事者において,多大な恩恵をもたらす事を意味する.しかし,制度変更によるENFitの導入は,接続部の内腔が狭くなることから半固形状流動食の投与の継続が可能となるかが危惧された.しかし,本研究の結果からENFitへの規格変更後においても,栄養剤の物性と注入法を正しく選択すれば,半固形化栄養投与法を現行のまま継続できる可能性があることが判明した.しかし,今回の検討で使用したカテーテルは,半固形状流動食の注入に最も適した形状のものであり(11),他の形状のカテーテルにおいても同様の結果が得られる保証は無い.また,ミキサー食においてもENFitからの注入が可能であるかの検証も必要である.よって,ENFitに対する半固形状流動食の通過性に関しては,本検討の結果を持って結論とせず,今後も引き続き検討を行ったうえで,その運用方法について評価されることが望まれる. |
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【参考文献】 |
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