内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
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2.PEG各論   胃食道逆流,逆流性食道炎 
ふきあげ内科胃腸科クリニック   蟹江治郎
PEG用語解説  フジメディカル出版,2013,112. 
 
 胃食道逆流(Gastroesophageal Reflux,以下GER)とは,胃内容物が噴門を超えて食道に逆流することである.胃の内容物には刺激物である胃酸のほか,胆汁酸や膵液も含まれており,これらの逆流は様々な問題となる.
GERの発生原因は,食道裂孔ヘルニアに代表される胃噴門機能の低下,胃の蠕動の低下,そして腹圧の上昇などである.また,経管栄養の症例においては,注入する栄養材が液体の場合,その流動性が高いことに起因するGERもある.GERの症候としては,@逆流性食道炎,A不顕性誤嚥,B誤嚥性肺炎,C嘔吐がある.ただし胃瘻症例においては,自覚症状自体を充分訴えられないケースが多く,誤嚥性肺炎と嘔吐が代表的な合併症となる.
 一般成人におけるGERへの対処法としては,プロトンポンプ阻害剤に代表される胃酸分泌抑制剤の与薬や,眠前に食事を摂らないなどGERを起こしにくい生活習慣などがある.一方,胃瘻患者においては,緩徐速度での栄養材注入,ギャジアップでの注入,そして経胃瘻的空腸栄養投与法等が行われている.また胃瘻患者においては,液体栄養の流動性に起因するGERもあるが,それに対しては,注入する栄養材の物性を半固形にする栄養投与法も効果があり普及しつつある.

図 胃瘻患者における胃食道逆流の症状  表 胃瘻患者における胃食道逆流への対処
PEG:胃食道逆流,逆流性食道炎    
 ◎ 栄養材の固形化・半固形化
 ○ 緩徐速度での栄養材注入
 ○ 30度または90度のギャジアップでの注入
 ○ 経胃瘻的空腸栄養投与法への変更
            ◎ 推奨
            ○ 行う価値あり

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